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第9回講座|文部科学省委託 令和3年度教員養成機関等との連携による専門人材育成・確保事業

第9回講座 授業研究③

11月29日(月) 15:20~16:30

担当区市(担当指導主事)

千葉県浦安市(山﨑 由美)

概要

お気に入りの時刻とその理由を聞いたり、答えたりする活動を通して、コミュニケーションを図ることの楽しさを感じさせることを目標に本単元の授業を実施しました。担任がT1となり、児童たちにとってのロールモデルとなるよう、積極的にクラスルームイングリッシュを使用しています。音声を十分に聞かせて気づきの場面を作ったり、動作や相づちを交えたりしながら、自分事としてのコミュニケーションとなるように意識して授業を行っています。
本時は「話すこと(やり取り)」をねらいとした活動としていますが、授業の流れはこれでよいかについて協議していただきたいと思います。また、浦安市は文部科学省から教育課程の特例を受けて、1年生から外国語活動を実施しています。そのため、早い段階から文字に関心を寄せ始めている児童もいることから、板書やワークシートに文字を使用しています。アルファベットもこれからという段階ではありますが、音声を中心としながらも、文字をどこまで示したらよいかについて特にご助言いただけたらと思います。

授業者氏名
直枝 祐樹(HRT
ラライン・イマムラ(ALT)
学校名
浦安市立富岡小学校
担当学年
第4学年
使用教科書
Let's Try2
(文部科学省教材)
単元名
「 Unit4 What time is it? 」
テーマ
聞くこと・話すことの指導
講師
佐藤久美子 (J-SHINE 会長、玉川大学大学院名誉教授)、明海大学教員他

事前課題

授業動画

資料

講座アーカイブ動画

講座評価アンケートに寄せられた質問に対する回答

佐藤先生への質問

【質問1】
好きな理由が英語で言えないとき、日本語でI like 書道. など、日本語で言えばいいのか、How can I say?などの短文を教え、英語で質問できるようにしたらよいのか教えてください。

【回答1】
低学年であれば、一先ず日本語でも良いので言ってみる!という姿勢は大切だと思いますが、中学年からは評価もつきますので、How do you say “shodo” in English?という言い方をまずは教えて、覚えた単語を使って話すというご指導をしていただければよいと思います。合わせて、英語の辞書で引いてみる、という指導法も効果的だと思います。

【質問2】
5・6年生になるとライティングの活動が入ってきますが、3・4年生からのスムーズに書くことへ移行するために下学年のうちからやっておけばよい取組などはありますか。事例があればご紹介頂きたいです。

【回答2】
児童は文字には大いに関心があるようなので、1~2年生からでも英語を導入している場合は、アルファベットに馴染を持たせる取り組みは有効だと思います。例えば、お店屋さんごっこを通して、自分の名前のアルファベットを集めて、それを紙に貼って発表する活動も楽しいと思います。“K, please.” “Here you are.” “U, please.” “Here you are.”と様々なお店を訪問して、名前のKUMIKOを集めます。発表では、”I'm KUMIKO. K-U-M-I-K-O, KUMIKO.”と紙に貼った文字を見せれば、お友達のアルファベットも自然に覚えられます。

【質問3】
浦安市の小学校では、1年生から外国語活動を実施している、ということで英語の文字を黒板に貼ったり、英語での会話の流れをワークシートに載せていたりしています。3年生から外国語活動を実施している小学校では、英語の文字量・情報として提示するのはどれくらいが適切でしょうか。絵など付けるのもよいと思いますが。ご指導よろしくお願いいたします。

【回答3】
低中学年の児童は暗記力も強く、単語なども見ているうちに覚えられることもありますので、目標表現なども、やりとりをする人の顔をつけたり、色分けして書くなど、会話を板書されることをお勧めします。発表形式であれば、例えばI like apples.のapplesの部分には果物のイラスを描いておく、なども工夫も効果的です。ここは、好きな果物を言う、というヒントが得られます。同様に、好きな動物を発表する場合は、I like ….の点線の部分に、動物のイラストを貼っておきます。

【質問4】
文字の使用について、私も先生と同感で、以前からなぜ文字を使って指導をしてはいけないのかとても疑問でしたし、納得する解答をいただいたことがありませんでした。今回、先生が文字の使用についてとても前向きなお考えをおっしゃっていましたが、なぜ現在文字の使用について制限がかかっているとお考えですか。また、それによる弊害をどうお考えですか。

【回答4】
文字を正式に導入したのが新学習指導要領導入時なので、児童にとっては難しいのでは?と危惧される方もいらっしゃり、積極的に3・4年生、あるいは、低学年から導入しない方もいらっしゃるのだと思います。しかし、これまで授業を拝見していて、どの児童も文字には関心があります。日本語の習得においても、小学校で正式にひらがなを習うわけですが、近年は、入学時までにどのお子さんも自分の名前を書けると思います。浦安市は1年生から外国語活動を導入しているので、ひらがな、かたかな、などに少し慣れた2学期から、是非アルファベットも導入して、文字に馴染んだらよいと思います。高学年になっても自分の名前もローマ字で書けないのでは、中学校に行ってからとても苦労すると思います。

【質問5】
小学校の学級担任が英語を指導する際の教師の発音についてお考えをお聞かせください。

【回答5】
発音は良い方がもちろん良いのですが、児童は担任の発音真似をしないので、ご心配には及ばないと思います。良い発音で録音した教材を聞かせ、その音を反復させる機会を多く持てば、必ずその教材の良い音を真似ます。ただし、ALTと呼ばれる教師の発音は真似ることが多いので、その点は少し考慮が必要です。

授業者への質問

【質問1】
本校にリアクションカードがなく、リアクションカードを作成していたら、共有していただけるとありがたいです。

【回答1】
リアクションカードは、ALTと一緒に考えて「Nice!」「Good!」「Great!」「Cool!」などの表現をA4サイズに拡大し、黒板に掲示できるようにしています。 また、浦安市で使用している教科書(NEW HORIZON ELEMENTARY)の別冊にあるPicture Dictionaryにもリアクションについて掲載されているので、拡大コピーして掲示できるようにしています。リアクションカードは、特にデータ化している訳ではないので、自分たちで手作りし、イラストを添えて使用しています。

【質問2】
全体的に流れが良かったと思います。先生がしっかりとリアクションを返していたことが子どもたちのやる気にも結びついていたと思いました。質問ですが、本単元に限らず、ワークシートは交流のとき(言語活動等を行っているとき)には必ず用意しているものなのでしょうか?

【回答2】
言語活動中は極力文字による言語材料の提示をせず、言語の使用場面を意識して提示するようにしています。例えば、「あいさつ」「好きなものを伝える」「友達の回答内容についてリアクションする」「お別れのあいさつ」といったように示し、使用する表現は児童に選択させています。ワークシートについては、使用するとき、使用しないとき、どちらもありますが、使用しない時の方が多いです。