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第4回講座|文部科学省委託 令和5年度明海大学との連携による専門人材育成・確保事業

第4回講座 授業研究①(釧路市)7月26日(水)9:00~10:30

講師 井熊ひとみ(J-SHINE理事 共愛学園前橋国際大学客員教授 育英短期大学非常勤講師

担当区市(担当指導主事)

釧路市教育委員会 指導主事 佐藤美里

概要
授業者氏名

加藤さと美 教諭

学校名

釧路市立朝陽小学校

担当学年

第6学年

使用教科書

NEW HORIZON Elementary English Course(東京書籍)

単元名

Unit3 L et's g o to Italy

テーマ

聞くこと・話すことの指導

講師

井熊ひとみ(J-SHINE理事 共愛学園前橋国際大学客員教授 育英短期大学非常勤講師

概要

釧路市の授業テーマは「話すこと・聞くこと」で、第6学年の授業を提案します。本授業では、「友達と行きたい国やその理由について伝え合うことができる」を本時のゴールイメージとし、児童が自分の考えや気持ちを互いに伝え合う言語活動を繰り返し行うことを通して、ターゲットセンテンスを使い慣れることができるように授業を組み立てました。協議では、そうしたねらいの授業展開となっていたか、児童は言語活動を通してゴールに迫ることができたかご検討いただきたいです。

事前課題

授業動画

講座資料

講座アーカイブ動画

講座評価アンケートに寄せられた質問に対する回答

講師への質問

Q1

単元を通して子どもたちが目的をもって活動できるような手立てを教えていただきたいです。(最終活動の活動内容など)

A1

この単元で最終的に何を目標とするのかを指導者だけでなく子どもたちが理解していることが大切ですね。その目標を達成するための手立て=活動の選択については、先生がゴールへ向けての計画を立てた時、そこで選択する活動が、その時間の目標にかなっているかどうか、子どもたちが納得している(理解している)活動かを考えてみましょう。先生の指示に従って行っている事、ひとつひとつが子どもたち自身にとって動機付けとなる理解があるかを選択することが大切です。

最終活動として先生が定めたゴールは、子どもたちにとって達成感のある活動になり得るかどうかを先ず考えてみましょう。例えば、やりとりをすることで得られた結果を子どもたちにフィードバックすること、発表をする場合には、誰に向けて、何が(どんな内容が)あれば、自分が伝えたいことになっているのかを考えてみること。いずれも必然性があって、子どもたち自身の納得性があると充実した活動が選べるのではないでしょうか。

Q2

学習の中で、教師側が英語を使ってコミュニケーションをとるべきだと思いますが、児童の実態を考えたときに、英語を使ってしまうと理解ができず(理解しようとしない)、学習内容が進まなくなってしまうことがあります。教師側がどの程度まで英語を使ったらいいなどアドバイスをいただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

A2

なぜ子どもたちが理解しようとしないのでしょうか。先生が書かれているように、理解ができないからあきらめてしまうような状況ができるのかもしれないですね。
初めて触れた英語の言葉は児童の誰もがわからない(はず)だと思います。子どもたちが
理解できるまで何度も使い、時にはその足場をかける意味で、先生は何を提示できるでしょうか。先生の指示語が、子どもたちに理解できないとしたら、「手がかり」となる情報を
言語・非言語の両方を使って支援をする必要がありますね。まず英語の取捨選択をする、手がかりは何を使うのかを準備しておく、場合によっては先生の英語をそのまま日本語にする事をせずにわかるようなヒントとしての手がかりを与える。特に英語が得意な先生によく見受けられるのは、子どもたちの不理解を感じ、さらに英語を重ねて増やしていくことで子どもたちが迷路に入ってしまう等もあります。 先生の英語力としては、高度な英語ではなく、言い換える(パラフレーズ)ための材料を整えておくことですね。
活動時に何度も使う場面のある英語は回数を重ねるごと子どもたちは理解していきます。
母語の習得も同じですが、子どものわかる「手がかり」をどう用意して、どのように見せていくかも用意しておく必要がありますし、言い換える力も必要になります。
子どもたちが「わかった」と実感できるようになるまで、見せながら、伝えながら、
継続をしていく事、そこには先生の工夫とある意味、忍耐力も必要です。

Q3

リキャストとは何か、小学校英語にどの程度必要なのか教えてほしい。

A3

リキャストとは、わかりやすいイメージとして、子どもが言語を修得していく道のりで間違えて発音したり、文法的に間違えている事などがあった時、その間違いを正す方法として正しい英語を聞かせて自然な会話の中で修正の必要性を気づかせてあげることです。

小学校英語にどの程度必要なのか、という具体的な線引きは難しいですが、ゴールとして定めているところに必要な理解(知識・技能)の観点から、間違えている表現をしているその場面で、正しい英語を聞かせていく、という作業は継続していく必要があると思います。つまり、「そうじゃないよ」というメッセージにならないよう、「こうなのね」という意味での正しい言いかえ(インプット)を継続していくことは気づきの学習としてとても小学校の児童期に必要な初期の学びの要素だと思います。

授業者への質問

Q1

ALTの先生は、聞く・話すがメインの授業のときに必ずいるわけではないと思うのですが、いないときにはモデル対話をどのように工夫して行っていらっしゃるのか、アイディアをお聞きしたいです。

A1

・教師が2役を演じてモデルを見せる。
・教師と児童でモデルを見せる。
※あらかじめモデル対話を録画しておくというのも良い方法ではないかと考えています。