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令和2年度教員養成機関等との連携による小学校外国語の専門人材育成・確保事業(第1回講座)

本講座は令和2年10月から12月にわたり、全5回実施しました。下記は第1回講座アーカイブになります。

第1回講座 10月20日(火)15:00~16:30 学習指導要領

J-SHINE 専務理事(上智大学言語教育研究センター教授)

藤田保

講座内容

学習指導要領に記されている外国語科・外国語活動の目標・内容等を理解する講座とする。講座の中で、講師と受講者とのやり取りを随時行う(ワークショップ型)。

講座前のタスク

小学校学習指導要領(平成29年公示)解説 『外国語活動・外国語編』に目を通しておいて下さい。(以下からも入手可能)

以下のビデオ『平五小210日の軌跡 − モデルケースで学ぶ2020年小学校英語教科化』を視聴して、担任教諭がどのように変容したかを考えておいて下さい。

以下の資料に基づき、事前に講座内容について確認しましょう。

講座アーカイブ動画
講座書き起こし原稿
講座中に使用した資料
講座後のタスク

講座での話を基にして、現在各校の「外国語」で使用している検定教科書のどの活動・課題が学習指導要領のどの部分を具現化しているのかを分析し、同僚の先生方と話し合って下さい。

講座実施後のリフレクションシートにおける質問と回答
【質問】

ALTの位置付けに変化はあったのか。ただ教室にいて、こちらからヘルプを出したら発音してくれる人というスタンスでよいのか。

【回答】

ALTや地域の外部人材の位置付けには特に変化はありません。

なお、「こちらからヘルプを出したら発音してくれる人」という位置付けであったことも本来一度もありません。それはデジタル教材等が担うべき役割です。

担任主導の授業の中で、担任と一緒にやり取りの見本(スモール・トーク等を含む)を提示する、児童たちと直接的なやり取りをする等こそが本来ALTらが果たすべき主たる役割です。

 

【質問】

「触れさせる」の表現について、手を挙げない子にはどうすればよいか。言いたくない子が英語に触れるにはどうすればよいでしょう。

【回答】

まず、英語を聞きながらワークシートで作業をする(例えば、聞こえてきた内容を表す絵を選ぶ)等も児童を英語に触れさせていることになります。一方、挙手をして当てられた子だけが発言する授業の展開では発言者以外の児童に与えられる発話の機会が限定的になってしまいます。できる限りグループ活動やペア活動を取り入れることで多くの子どもたちに発話の機会を与えましょう。

また、声に出す練習をする際に、最初はクラス全員で、次にクラスの半分ずつ、その後でもう少し小さいグループ、ペア、個人というように、同じ英文を大人数→少人数のように減らしながら繰り返し練習することで、最初は自信がなかった子も安心して練習に参加できるようにする工夫なども大切です。

 

【質問】

高学年の外国語科では、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことにおいて、子どもたちがどのレベルまで習得していれば、中学校と円滑に接続できるのかを知りたいです。

【回答】

到達目標は学習指導要領に明示されていますのでご確認下さい。

例えば「書くこと」であればお手本をそのまま、あるいは一部分を入れ替えて(My name is Tom. のTomを自分の名前に変える等)「書き写す」ことができれば十分であり、スペリングを覚えて書くことなどは求められていません。万が一、接続先の中学校からそれ以上のことを求められた場合には、しっかりと学習指導要領に明示された内容を伝えることも重要です。

 

【質問】

研修会の質問の中で出た、目的意識を持たせた場面設定や必要感を持たせたやり取りを授業で行っていくにはどうしたらよいか、具体例を知りたい。

【回答】

まず、その日に扱う言語材料が日常生活で実際にいつ・どこで使われるか(例:食べたいものを伝えられるようにするためのI want to eat 〜. という表現が必然的に使われるのは?)を考えてみて下さい。

レストランでメニューを見ながら、「今晩なに食べたい?」と親に尋ねられた時、あるいは世界の旅のテレビ番組を見ている時かも知れません。場面を選んだらそれに合わせてロールプレイ(レストランの注文)、インタビュー(人気の夕飯献立ランキング)等の活動を考えてみましょう。

 

【質問】

和英辞典の活用についてお聞きしたいです。小学校段階では「必要ない」のか、「あればよい」のか、少し気になっていました。もし「あればよい」のであれば、学校予算で購入するのもよいのかなと思っています。

【回答】

児童用には基本的には必要ありません。

昆虫を扱っている課で活動中に「トンボってなんて言うの」と児童に尋ねられたら(必要に応じて先生が辞書を引いて)dragonflyだと教えてあげれば十分です。英和辞典についても、単独の単語の意味が分かることより文脈から意味が想像できる力の方が大切なので不必要です。

ただし、「CATとCABのどちらが辞書で先に出てくるか?」のようなクイズ等を時折取り入れてアルファベットの順番を意識させておくと、中学以降での辞書の活用につながるでしょう。

 

【質問】

How are you ? と尋ねると、帰国子女の中には「Awesome!」と答える子どもがいます。振り返りシートにも書かれているときがあります。また、今は、「How are you doing?」の方がよく使われている、とか「How have you been?」も使う、などと言われる事もあります。このような声に対する対応の仕方を教えていただければと思います。

【回答】

振り返りに「今日の授業では質問に答えられなかったので憂鬱だった」と書かれていた場合、憂鬱という漢字が既習であるか否かよりも、その子の自信を取り戻す心配をすべきでしょう。同様に、教員が教える内容はあくまで指導計画に基づいたものを与え、返ってきた答えがそれを超えるものであった場合にはそのまま受け入れてあげればよいだけです。

同じ内容を表す表現は当然いくつもあります。このような場合、「ごきげんいかがですか?」「元気ですか?」「元気?」「よう!」等、日本語でもさまざまな表現があり、相手によって表現の選択が異なることへの気付きにつなげていくのがよいのではないでしょうか?

 

【質問】

名詞の複数形、例えば”s”がつくものと単複同形の”fish”のようなものの使い方について、どの程度まで説明したらよいでしょうか。

【回答】

あえて説明する必要はありません。教科書に出てきた形でそのままの表現として教えれば結構です。

もし児童の方から質問をしてきた場合には、上の質問の場合と同様に、「いろいろな言い方があることによく気付いたね」と褒めてあげた上で、日本語でも一本、一冊、一枚などの数え方に違いがあること等への気付きにつなげましょう(実際、children, oxen, data, stimuliなど例外が多すぎて理論的な説明はほぼ不可能です)。

 

【質問】

本校には大学生の英語ボランティアが複数入って下さっているが、その方々をうまく活用できていないと感じている。ボランティアの方々にどう動いてもらうとよいのか、例があれば教えていただきたい。複数いる場合の効果的な活用方法を教えていただきたいです。

【回答】

複数のボランティア学生がいる場合の最も効果的な活用法はグループ活動を行う際に、グループリーダーとして分かれて入ってもらい、活動を円滑に進める推進役を担ってもらうことです。

予め指示をしておかないと後ろに立っているだけの学生も出てきてしまうでしょうから「スキットを読む際に(担任の)相手役になって下さい」「担任が前で説明などをしている間に机間巡視をして理解が遅れていそうな子の手助け等の個別指導をして下さい」等、具体的にすべきことを事前に伝えることも必要です。